五岳の祭文

{授図祭文}

某胎生の肉人、枯骨の子孫にして濁世に生長す。
乱に染り考を罪し、宿行の咎を積み禍高く丘陵をなす。
天その衷を啓き聖化を聞き得て心を開き跡を改め生を好み道を楽しむ。
仰ぎては霊感を慕ひ思ひては真応を求む。
庶はくば清蕩を蒙りもって性命を延ばさん。
常に穢を捨て善に率ふ。
願はくば種民となり鑽求して遐年たらん。
まさに すべからく天啓あるべし。山に登り川を履むもまた霊助に頼る。
心を道門に注ぎ敢て 弐を携へず。
ならびに仰ぎて方物を貢ぎ、おのづから信誠を輔く。
いま即日をもって 五岳真形図を受く。
一己に蔵し?めこれを与かること終始。
五八の期ありて永く中泄 することなし。
伝授相親しみて、同気を愛護す。
いさぎよく栄辱を斎つは、天科の祐くるところ。
敢て慢惰せず禁綱の犯を抵み、法訣を遵守しこれを心に付す。
謹みて清斎し祭を告げ、もってその始めとなす。
ただすなわち一列のみ、三天の章をたてまつり太上に奏す。
某が三尸を除き書を生録に登せ、題を玉札に刻み、これを絳府に緘づ。
五方の霊岳おのおの五神を遣はし千百の山川 ときに侍官を差はす。
図を営守し、永く某が身を防護して、長生永存にして寿を延ぶること億千ならしむる。

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*家に五岳真形図あればよく兵を辟け、凶逆の人其五岳真形図を持てる人を害せむとせば其罰己に返りて大なる禍を受けむ。

又道士此の五岳図を持ちて其施行法を行ふに於ては、仁義慈心を勤め行ふ事あたわずして精神正しからざる者は
禍災其身に 及びて竟に其家を滅するに至る。
軽々しく 授くべき者にあらずと云はれたり。
こはさる事にて、彼の漢武帝の伝をも深く思うべし。 

諸々の真形図を初め、尊き神仙の著し給へる隠微の書に至りては、清潔の床に置きて、
是を尊敬することは真心を以て君親に仕ふるが如くすべし。

若し不義・不忠・不幸にして、師父の尊信せる尊き図書を、妖魔を見るが如く思ひて尊敬せず、浅学を以て難ずるに至りては
其罰身に及び、其人死して後も其の尽くる迄は其霊魂に付き纏ひ 又子々孫々に其罪の伝遷して竟に其家を亡すに至るものである。 

 

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