結婚と性に関するアンソロジー

【性のエネルギー】

「ヘナロが言った通り――カーテンだ。
だが、お前は脱線してるぞ。いつもそうだ。
わしらが話しているのは、性についてのイーグルの命令なんだ。

性のエネルギーは、生命の創造に使え、これがイーグルの命令だ。
性のエネルギーを通して、イーグルは意識を授けるんだ。
感覚のあるものが性交をしていると、その繭の内部の放射物が、新しい生命に意識を授けようと最善を尽くすんだよ。」

ドン・ファンは更に、性行為の間、雌雄それぞれの繭の内部の放射物は深い興奮を体験し、その頂点で、二つの繭に隔てられていた意識の輝きが交じり合い、融合するのだと言った。

(カルロス・カスタネダ 「意識への回帰」)

【性腺の影響】

睾丸は、精神の持つ力と質に対して、他のどの腺よりも一番強い影響を与える。
概して、偉大な詩人や芸術家や聖人は、征服者と同様に、性欲が強い。
生殖腺を除去すると、成人であっても、精神状態にある変化をきたす。

卵巣を摘出すると、女性は感情の働きが鈍くなり、知的活動や道徳観念も一部失われる。
去勢を受けた男性の性格は、かなり著しく変わる。
アベラールは、エロイーズの情熱的な愛や犠牲から逃避した
意気地なしとして、歴史にも残っているが、これは恐らく、彼が残酷にも去勢されたからであろう。

(アレキシス・カレル 「人間 この未知なるもの」)

 

つづく

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