自修鎮魂法入門自修鎭魂法要訣(大要案) この一篇は、故宮中式部職掌典宮地嚴夫
翁の遺稿で、翁が晩年の筆述に係わるものである。 昭和二十一年 三月
毎日午前二時後、五時前を以て、鎮魂法を行う。下手の順序、左の如し。 先(まず)、東或いは、南に向って安坐す。 両の拇指を内にし、四指にて握固し、両手を左右の腰腹間に柱(た)つ。 次に濁気を吐くこと三回。 次に、歯を叩くこと左にて十二、右にて十二、中にて十二、合せて三十六回。 次に、気を引きて、息を閉ず。 気を引きて、息を閉ずるは、最ももれ、修錬の要妙なり。 次に、心を想いて炎火の如くならしめ、光明洞徹して、下腹、即ち臍下丹田の内に入らしむ。 次に、出入の息調和するを俟(ま)ちて、即ち舌を以て、唇歯の内外を撹(か)き、津液(しんえき)を漱練(そうれん)す。 次に、津液、口中に満つれば、少しく頭を低くして嚥下(えんか)す。 次に、更に気を引きて、息を閉ずるより、津液を漱練(そうれん)して、嚥下(えんか)すまで、前法の如くす。 次に、また更に気を閉じ、津を嚥下(えんか)すこと、また前法の如くす。 かの如くして、気息を閉ずること通じて九度、津液を嚥(の)むこと通じて三度にして止む。 次に、頭を左右前後と搖(うごか)し、又左旋右旋すること、各々三回。 次に、左右の肩手をそびゆかし、及びなづること、凡(おおよ)そ五回。 次に、左右の手の指を練る。 次に、両手を以て、顔面耳項(うなじ)等を摩す。皆、極熱せしむ。 次に、両手の指にて、髪を梳(くしけず)る如くすること、凡(おおよ)そ百回。 次に、左右の手を以て、両乳及び、臍下丹田を始め、腎堂腰脊間(じんどうようせきかん)を熱摩し、極熱せしむ。 次に、左右の足部をなづること、凡(おおよ)そ五回。 次に、左右の足の指を練る。 次に、左右の脚心(きゃくしん・いわゆる湧泉の穴)を熱摩す。 次に、立ちて、或は仰ぎ、或は俯(ふ)し、或は伸び、或は屈(かが)みて、身体を練り、気血をして全身に満たしむ。 次に、寝床上に安坐し、息の出入を数えること、凡(おおよ)そ二十五。 右畢(おわ)りて、更に安臥(あんが)し、熟睡して明旦(みょうたん)に至る。 もし、安臥(あんが)する時間無き時は、直ちに起出(おきいづ)るも嫌うことなし。 委しくは口授を要す。
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