神仙の玄旨

夫れ人の生るるや
身体血気は天地父母日月に禀る所、性識霊の三物は天神の下し給ふ至尊の神宝なれば、
報本反始親に事へ、天に仕へ、君王に忠貞を尽し、長へに此世にありて
道の為国の為に報ゆる身なれば、
生を養ひ、疾病を避け、その命を保愛し、天一真君の元気を守り、身を立て道を行ひ、
永く天神に仕へ奉る。
是れ所謂人の真道なり。

故に奉道の士は神仙の玄旨に随ひ、生を養ひて長生久視を得、永く人間に有りて天に随ひ、
君に忠し、親に孝し、私慾を消除し、天神の賜を穢さず、天に通じ、神祇に謁し、
真一を抱いて霊妙不測の門を経て元始天尊の胎に入り、玄胎を化し作りて永く天地の間にありて、
国の為に
上は天皇の長命を祈り、中は国の静謐を願ひ、下は群生の安穏を祷りて、只四海の平治無恙なる事を
祝ふ。

是れ我が神仙の玄旨なり。

*神仙の道とは、方全先生が『地眞釈義』の中で、力説されて申し述べておられますように、
一を体得する重要性を強調なされておられます。

一即ち眞一とは、日々積善陰徳を実践し誠意を心の中に刻むことにありと仰られておられますが、眞一とは誠のことでありまして、
この誠を抱いて処世を生きていく。
この持続こそが、惹いては神仙の道に連なると。

それ故に、土佐五台山の神仙道本部においては、「守一霊唱」なる水位先生の秘文を伝法なされておられました。 

*神仙の玄旨(好道意言)の中で、水位翁は次のような言葉を吐露致しております。

「我道は始めにも云へるが如く、天真の信を守り倫を明らかにして、勲功を立て、長しへに 天地の間にありて、天神に仕へ、
国恩に答へむとするの道なり。
故に彼の偽聖、偽仙の邪説を守りて妄想の附会説を主張し、鬼魅怪説を旨とし尾に鰭を添へて生民の耳目を塗り、
心魂を迷惑せしむる輩と同視する事なかれ。
異端の偽仙に幻惑され、修道の眼目を錯誤せる求道士の如何に夥しいことであろうか。

畢竟真偽を弁別すべき道眼の未熟に基ずくものと云へ、真に慨嘆に堪へぬ次第であると戒め、神仙の道に志す者は、
誠実に身を処し、他人に対しても 自然に対しても、やさしく慈悲深く生きていかねばならない」
と仰られておられます。 

 

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